第13回世界性の健康デー東京大会に参加しました!

2018年から参加を続けている世界性の健康デー東京大会に今年も参加しました!

委員会としては、現在取り組んでおります”Museum of Transology”展についての発表をさせていただきました。ここでは、東京大会で開催された二つのトークセッションから、資料保存チームの「おさとう」が感じたことについて簡単にまとめようと思います。

トークセッション1「若者のリアルと性教育のトレンド」
 福祉の分野を取材していたことがきっかけとなって性教育の番組を制作し始めたTVディレクター荒井さんと、セックスレスカップルの存在に衝撃を受けて日本におけるセクシュアリティについて研究を進めてきたパッハーさんが登壇されました。

 荒井さんからは、性教育がメディアでどのように取り上げられてきたのかについての話題提供がありました。その中で、性に関してのメディアの取り上げ方がこの10年間で大きく変わってきたことを指摘されていました。2013年にNHK朝の情報番組あさイチで生理について取り上げた際には、非常に大きな反響があったそうで、それだけ当時は性についてメディアで取り上げられることが少なかったのではないか、一方、2017年の#MeToo以来、メディアでも積極的に取り上げられるようになり、そうしたことが性に関する様々な活動が活発化していったことにつながるのではないかというお話は、なるほどな。。。と納得した次第でした。

 パッハーさんのお話の中で特に印象に残ったのが、授業を通じて感じた学生たちの様子についての話でした。自分が当たり前だと思っていた価値観や性教育で学んできたことを様々な国と比較することによって「なぜこのように学んできたのか?」という視点を持つことが非常に大事だということです。これは性教育だけでなく、日本人の多くの方が思っている性へのタブー視について、「なぜ性について話すことはタブーなのか?」という視点を持つことができるようになるし、そうした思考をしていくことでより性に関して深いところまで見つめることができるようになるのではないか、と思いました。

トークセッション2「日本の性教育をプレジャーの視点で問い直す」
 #なんでないの プロジェクトをはじめとして様々な活動に携わっている福田和子さんと、ビワコンドームの考案者で学校現場から性教育に取り組んできた清水美春さんが登壇されました。

 セッション冒頭では、2019年WAS大会にて採択されたセクシュアル・プレジャー宣言について、改めて読み解くところから始めました。それを通じて、セクシュアル・プレジャーは性の権利と結びついているだけでなく、それこそがプレジャーの核であるということを確認しました。私は、この点がこれからの日本における性教育を考えるうえで重要な視点だと感じました。なぜなら、福田さんがお話しされていたように、排除すべきものだけを知っているだけでなく、選び取るべきものを知っているのがより大事で、それにたどり着くためには「性はポジティブなもの、セクシュアル・プレジャーはよいものだ」という認識を作ることが大事だからです。

二つのトークセッションを通じて、共通して感じたこと
 一般的には「よい」こととされていることでも、性に関するものとなった瞬間になぜ「抵抗がある」ものとされてしまうのでしょうか。この問いにたいして、セクシュアル・プレジャーに対して人々がどのように考えているのかを見ることで解き明かせるのではないか、ということがわかってきました。そして、これを解き明かすことによって、性に関して私たちがどのように様々な方に伝えていけばよいのかが見えてくると思っています。 

 なぜ?という面を見るだけでなく、いかに?この価値観や偏見を変化させていくのか、そうした取り組みをミュージアムでも出来たらよいな、と思いました。


開催概要

日時 :2022年9月4日(日) 13:00~16:50
世界共通テーマ: LET’S TALK PLEASURE!(プレジャーについて語ろう)
会場 :完全オンライン配信(アーカイブあり)
参加費 :1,500円(一律)
※アーカイブ(オンデマンド)配信は9月6日~9月13日の1週間限定公開

HP:https://wshd.jp/in2022
※参加申込は9月3日22:00〆切

プログラム:
●トークセッション1「若者のリアルと性教育のトレンド」
・荒井拓さん(NHK第2制作センター ディレクター)
・パッハー アリスさん(明治大学文学部 助教)
・モデレーター:柳田正芳(性の健康イニシアチブ)

●性の健康に関する団体の活動報告
・セックスミュージアム設立準備委員会
・緊急避妊薬を薬局でプロジェクト

●トークセッション2「日本の性教育をプレジャーの視点で問い直す」
・福田和子さん(#なんでないの プロジェクト 代表)
・清水美春さん(びわこんどーむプロジェクト 代表・元 滋賀県立高校 保健体育科教諭)
・モデレーター:柳田正芳(性の健康イニシアチブ)

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