第38回日本性科学会学術集会 >TENGAもいるよ
セックスミュージアム設立準備委員会代表のイロタカです。
今のところ私しかブログを更新していませんが、メンバーが入ってきましたのでそのうち他の人が書くことになるかもしれません。それまではとりあえず私が書きます。
8月はインドで開催されたアジア・オセアニア性科学会カンファレンスがありましたが、日本でも毎年開催される国内の性科学会のカンファレンスがあります。それが先月名古屋で開催された日本性科学学術集会です。
名古屋!!インドより近いし日本語ですw
名古屋と言えばナナちゃん人形。手足長い!
日本性科学会は「臨床的な研究や診療を通じて性の健康の推進をはかる専門家の団体」で、イロタカも入会させていただいております。基本的には医療関係者が多い学会です。
学会会場にはTENGAも来てました。先週リリースしたばかりの早漏向け膣外射精障害トレーニングTENGAもお目見え。

懇親会会場に春画。シンポジウムの登壇者によるはからいです。
内容盛りだくさんの学会でしたので、掻い摘んで感想を。
【医学生のジェンダー教育の必要性】
いくつかあったシンポジウムのうち1つで医療関係の学部生のジェンダー教育の必要性が問われていたことが社会学出身の自分としては印象的でした。ジェンダーが分からない助産師が母親にだけ育児指導をしたり、精神科医が男性の産後鬱を想定しないといったことが実際あることから、社会問題を医療に現場に引き付けるという意味で医療と社会学の連携はこの先必須だと思います。
また、これは個人的な経験からですが、以前日本性科学会が発行しているセックス・セラピーの教科書を読んでいたとき、その冒頭で私がジェンダーのゼミで学んだ避妊・中絶の歴史に登場する医者たちの紹介を見つけ、 思わず著者に「この人たち知ってます!」と報告してしまったことがあります・・・興奮したんです、過去の英雄との感動の再会です笑
医療という目の前の実践も大事ですが、その歩んできた背景やその先にある現状を知ることで理解が深まります。
過去から続く未来に関わる嬉しさ、この興奮を医学生にも知ってほしい・・・よそ者として医療関係者を見たとき、目の前の患者というものに捉われすぎている感じがしているので、余計にそう思うのかもしれません。
【性加害者への取り組み】
性暴力加害者への取り組みの話では、性犯罪者処遇プログラムの概要、刑務所・少年院・少年鑑別所での性暴力加害者への働きかけ、対人暴力加害の脱暴力支援の話がされました。
性暴力被害者への支援が注目される一方で、加害者の支援が少ないという一連の話を聞きながら、私は最近ツイートで見つけた鶏のいじめの話を思い出しました。
地震などの強いストレスがかかった鶏は、弱い者いじめを始めてしまうそうで、いじめ発生前に一番強い鶏をケアすることが必要であり、これによっていじめを防ぐそうなのですが、いじめ発生後にいじめられっ子の鶏を隔離しても、別の鶏がいじめられてしまうそうです。
この鶏の話は聞いた当初、人間のいじめのようだと思ったのですが、それは同じ暴力である性暴力でも言えるのだなと、性暴力加害者支援の話を聞いて思った次第です。
強いストレスというきっかけが誰にでも降りかかる現状を考えたとき、加害者になりえる人たち、加害者になった人たちに対する支援があまりにもない。その状態で性暴力被害者をただ救出し続けることは、性暴力を防ぐことにはならない。
性暴力について考えるならば、両方が必要であると気づくことができました。
他にもいろいろ知ることができて大変有意義でした。
来年の日本性科学会は鹿児島で開催されます。私も登壇するかもしれません。 もし登壇決まったらみなさま見に来てねー絶対面白いよ。
(ただしある程度学んだ人でないと質問したときに白けるため、気を付けて下さいね!)